Movie Writerの最新版がひどいことになっているという話です。
Uleadがなくなり、InterVideoもなくなり、現在はCorelのブランドとなったMovie Writer。
従来は「DVD Movie Writer」という名称だったのですが、blu-rayへの対応などもあり、DVDが名称からはずれ、現在はMovie Writer 2010となっているあれです。
体験版を試してみて、その機能の劣化ぶりに驚きました。
Movie Writerシリーズではあるバージョン3(確か)から「ビデオの複数カット」という機能がウリとなっていました。テレビ番組を録画したビデオファイルから、CM部分をカットするのにとても便利な機能でした。
そして、のちのバージョンではCMを検出する機能がつき、より使えるものとなっておりました。検出精度を指定することで、誤検出も減りほんとにカンタンにCMカットができたのです。検出後はチャプターのような単位に分割される(しかもそのチャプターがCM候補なのかプログラム候補なのかを表示してくれるほか、CMチャプターをまとめることも可能)ので、あとは不要なチャプターをがんがん削除していけばいいんです。CM部分と番組部分の切れ目を細かくみていく必要がない、というのも非常に便利でした。
そのイメージはCorelのサイトにある「DVD MovieWriter 3 ビデオの複数カット」を見れば一目瞭然です。まだ残っているUleadのページにある「DVD MovieWriter 6だからできる!簡単!高速!精密!カット編集」がもっとわかりやすいかな。
しかし、今回のMovie Writer 2010ではその機能がばっさり。ビデオクリップに対してできるのは前後のトリミングのみ。ウリであったはずの「複数カット」ができないのです。
さらに、前後のトリミングもスライダーをマウスでつかんで前後の位置を指定するしかありません。スケールのズームもできないのも痛い。1フレーム単位での指定もできないのです!
ちょっとこれには説明が必要でしょう。
1フレームずつ前後にカーソル(再生ヘッド?)を移動する機能はあるのです。1フレームずつその内容は確認できるわけです。しかし、その現在位置に、開始点・終了点(IN点・OUT点)を移動する機能がないのです!
もう、どうやって編集をしろというのでしょう。
欧米の人はマウスでざっくりIN点・OUT点を指定できるだけでいいんだ、細かい編集なんてしないんだよ、ということでしょうか?
まあ、たんに私が機能を見落としているのかもしれませんが、従来バージョンの気持ちでは使えないのは確か。ユーザーインターフェイスはまったく変わってしまったので、いろいろとまどうことも多いのです。
とにかく、従来バージョンの「複数カット」を期待して買うのには無理があります。ご注意を。
という警告でした。